(1)ディプロマットをねらえ
さて。晴れて念願のチャーチデビューを果たしたわけだが、それで満足するわけがないのは、もう言うまでもない。
次はディプロマットの黒がほしい。例の店に行けば安く買えるのだが、ダークブラウンしかない。
イギリスから輸入することも考えたが、イギリス本国の値段で300£を越えてる。
レートを230円として、関税も含めると日本円で7万は確実に越える。あまり内外価格差はないのだ。
チャーチは数年前までは10万近くもする靴ではなかった。プラダに買収された後、一時期日本には入ってこなくなり、その後再び入ってくるようになってから異常に価格が上がったらしいが、内外価格差を見ると、輸入元がぼったくってるわけでもなさそうだ。
しかし、5万円台で売っている店があるのだから、他にも安く手に入る方法がありそうだ。どこか、黒のディプロマットを安く買えるところはないだろうか。
(2)Slight Seconds
イギリスの靴販売サイトを眺めてみると、「Slight Seconds」なるものを発見。
これは中古(Second hannd)のことではなく、わずかな傷などのために正品として不合格になったもののことらしい。いわゆる規格外品だ。
ちょうど黒のディプロマットのS品が載っていた。値段は175£。これなら関税を足しても5万くらいでいけそうだ。
木型は先般購入したチェットウインドと同じラスト100なので、7.5のGを買えばちょうどよいはずである。
外国のサイトで買い物をするということも一度経験してみたいので、思い切って注文してみることにした。
(3)輸入靴代金のしくみ
日本では物を買うと消費税というものが取られるが、EU諸国ではVAT(付加価値税)というものがある。イギリスの場合は17.5%で、表示価格にはこれが含まれている。
しかし外国人の場合はこれを払う義務はないので、表示価格からVAT分が控除されるのだ。
下図を見てわかるとおり、表示価格175£からVATが差し引かれ、148.94£。これに送料20£を足して合計168.94£。
関税は輸出者の申告価格(売値ではない)に対して30%。さらに申告価格と関税額の合計に対して、消費税として4%。地方消費税が消費税額の25%課税される。
申告価格とはいわゆる仕入れ値のことらしいので、関税や消費税は日本の税関を通るまでは、いくらになるかはわからない。
輸送については、このショップの場合は、UPSという配達業者を使っており、荷物が今どこにあるのかリアルタイムでおしえてくれるサービスがある。
経路は、イギリス(GB) → ドイツ(DE) → 香港(HK) → フィリピン(PH) → 千葉(成田) → 大阪(税関) というルートになっており、けっこう色々な国を経由してやってくる。
海外からなので、1週間以上はかかるだろうと思っていたのだが、到着予定日は注文した日の5日後になっていた。意外と早く届くんだな。
到着日は平日だったので、仕事が終わって帰宅すると不在配達通知の紙が入っていた。日本ではヤマト運輸が提携しているらしい。
不在通知に「着払い」と書いてある。カード決済で買ったはずなのにどういうことだ?しかし料金は5千円と書いてあるので、靴代でないことは明らかである。
そうか。これが恐らく関税分なんだな。
届いてみると、やっぱり関税だった。予想してた額よりはるかに安い。内訳は、関税:4,200円、消費税:700円、地方消費税:100円。
靴代は為替レートが235.918円/£で、39,856円。関税を足して合計44,856円也。国内価格の定価が9万円なので、半額以下で買えたことになる。
(4)「Slight Seconds」の状態
早速荷をほどいてみると、まず正品ならば必ず付く純正の靴袋が付いていない。その代わり、ショップの名前入りの靴袋が入っていた。
あと、おまけとして、ワックスと携帯靴ベラが入っていた。
肝心の靴の状態については、小傷を覚悟していたが、傷は全くない。その代わり、インソールの奥の方に糊をこぼした後があり、シミになっている。しかし奥の方なので、靴に顔を当てて覗かない限り見えないし、全く問題はない。
サイトではラスト100と書いてあったのだが、届いたのは#173だった。
#173は中途半端にロングノーズで、7.5なのに#100の8.0と同じくらい長い。#100ならば7.5Gでちょうどよかったはずなのに、また捨て寸が長い。幅は予想どおりちょうどよいが、甲が異様に高い。
どうして同じメーカーでこうもサイズが違うのだろうか。
しかし、厚めの靴下を履けばちょうどよいので、まあ、よしとするか。