(1)憧れのチェットウインド
さて。1万円のケンフォードから靴道を歩み始め、5万円也のチーニーに至り、すでに8足も保有している。もう一生靴を買う必要がないくらい揃ってしまった。これ以上靴を買い続けるのは狂気としか言いようがない。そろそろ潮時と考えるべきであろう。
でもそんなの関係ねー。
靴屋を眺めるだけも楽しいのだ。もはやわしにとって靴は単なる履き物の域を超えて、立派な趣味なのだ。まあ、大半の靴はいずれ気に入らなくなって履かなくなるのだろうけど・・・。
でもそんなの関係ねー。
週末に靴屋巡りをするのがすっかり習慣となってしまった。デパート、靴量販店はすべて見尽くしたので、今度はセレクトショップをまわる。
大須にあるらしいセレクトショップへ行ってみる。靴コーナーへ行くとまずジョンロブが飾ってあった。やはり10万円クラスだ。
さらに奥へと進むと、チャーチ様登場。チェットウインド、ディプロマット、コンサルの御三家が鎮座。値段はと・・・・。ん?
おおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!5万5千円!!!
こりゃ買いだよ。買うに決まってる。買うに決まった。
しかし、色はそれぞれ1種類しかない。コンサルは黒。ディプロマットはダークブラウン。チェットウインドはタバコ(薄い茶色)。ウイズはそれぞれFしかない。
うーんどれにしよう。やっぱりブレア首相のラッキーシューズ、チェットウインドだな。茶のフルブローグはカジュアルでも十分履けそうだし。よし。これにしよう。
(2)フィッティングに悩む
店員を呼んで試着。チーニーでちょうどよかった7.5を試着。長さはちょうどよいが、幅がきつい。チーニーの時のきつさとは違い、明らかにきつい。甲の部分の血が完全に止められている感じ。小指は完全に当たっており、その部分の革がボコっと出っ張ってる。
8を出してもらう。同じFでも1サイズ上げると幅ががらっと変わる。長さの場合は、表示がそのまま足長を表しているのだが、ウイズは幅の長さを表しているのではなく、足長と足周の比率なのだ。だから、同じFでも足長を上げると幅も長くなるのだ。
だから、幅がどうしてもきつい場合は、捨て寸(つま先の遊び)が少し多くなるが、ワンサイズ上げて幅を確保する。
さすがに8だとかなり楽だ。全然圧迫感がない。でも現時点でこの感覚だと、はき慣れた時にゆるくなる可能性が高い。とは言え、7.5は「きつい」を越えて「痛い」の領域なのだ。
う~んどうしよう。恐らく7.5Gでジャストフイットなのだろうけど、Fしか置いてない以上、どちらかにするしかない。究極の選択の法則により、ゆるい方を買うべきか。
しかし店員の兄ちゃん曰く、
「チャーチはきついのを買った方ががいいと思いますよ。かなりソールが沈み込むし、革がけっこう伸びるので、今ちょうどよいのを買うとガバガバになるかもしれません。」
うーん、確かにそれもあるのだか・・・・。しばらくの間悩み、結局8を買うことにする。
(3)質実剛健
しばらくは高嶺の花と思っていたが、まさか5万台で手に入るとは夢にも思わなかった。
「チャーチは硬い」とよく聞くが、意外と柔らかい。チーニーの方が革も履き味もずっと硬い。
革質はあんまりたいしたことない。少なくとも10万クラスの革ではない。インペリアルには遙かに及ばない。
仕上げは何というか、がさつだ。バイクに例えるなら(バイクに興味ない人ごめん)カワサキだ。しかし履き心地は良いし、作りがガッチリしてるので、気兼ねなくガシガシ履くべき靴だ。
イタリア靴のようなエレガントさは微塵もないが、「頼れる男」という感じだ。まさに質実剛健という言葉がピッタリな靴である。
茶色の靴は、微妙に色を変えられるという楽しみがある。つま先やかかとの部分に黒い墨を入れ、さらに黒のワックスで磨くと、ビンテージっぽくて良い風合いになった。