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神曲神之介の江戸日記
「 紳士靴マスターへの道【6】 ~革底靴デビュー(前篇)~ 」
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(1)革底靴を履く意味
輸入靴をはじめとする高級靴は大半が革底仕様になっている。最初は、革底なんて存在する意味すらわからなかった。摩耗しやすいのは当たり前だし、いかにも滑りやすそうだ。雨なんか降ってきたら大変なことになる。なんでわざわざこんな靴を買おうとするのだろうか。

日本で靴が履かれるようになったのは明治時代以降だが、西洋では昔から靴を履いていた。昔はゴムなんかなかったので、革底しかなかった。それに日本人よりもはるかに牛を食べるので革自体が豊富にある。また、家の中でも靴を履いているので、木の床とかカーペットの上を歩くことを考えると確かにゴムよりも革がふさわしい。
しかし、雨が多く、家の中では靴を履かない日本人にとって革底なんてどれほどの意味があるのか。
ゴム底に対する革底の最大のメリットとは何か。それは「蒸れない」ことである。

確かにゴム底の靴をずっと履いて仕事をしていると、午後になったあたりでむしょうに脱ぎたくなる。ネットの話を色々読んでみると、革底靴はスニーカーよりもずっと蒸れないらしい。そんなにいいものなのだろうか。
ならば1足くらい革底の靴を持っていてもよかろう。一度試してみようということになった。

(2)スコッチグレイン
革底未経験者であるわしにとって、最大の不安は「滑って転けるのではないか」ということだった。そこで、何か滑り止め加工しているようなやつはないか探してみると、おあつらえ向きのやつが見つかった。
スコッチグレインというメーカーの靴は基本的に革底なのだが、すべて部分的にゴム加工している。特に「アシュランス」という一番安いグレードのやつがど真ん中にベッタリゴムが埋め込んである。これは良さそうだ。値段も3万円を切っているので、革底入門者にとってはちょうどよかろう。

スコッチグレインというメーカーは名前からしていかにもイギリスのメーカーのような印象を受けるが、純粋な国内メーカーである。製法はすべてグッドイヤーであり、デザインは伝統的な英国靴をイメージさせるボテっとしたものが多く、いかにもおっさん受けしそうな靴だ。しかも、最下級グレードでもカーフを使っており、革質は抜群。価格は非常にリーズナブルであり、すべての靴に標準で純正のシューキーパーが付く。

このころわしはすでに、最近巷にあふれるイタリア系のロングノーズの靴にヘキヘキしていた。ロングノーズの靴っていうのは、やせ形で高身長の人が履くとすごくかっこいいのだが、背が低くしかもずんぐりした体型の人が履くと魔法使いみたいになってしまうので、日本人の場合は服のコーディネートをよっぽど上手くやらないと似合わない。対して、長い歴史の中で確立されたトラディッショナルスタイルは流行に左右されないので長く履ける上に、ビジネスやフォーマルなシーンでも安心して履ける。
わしの場合、ブレア首相のエピソードを知って以来、英国派に傾倒しつつあり、特にブレア首相やジェームスボンドが愛用していたチャーチにあこがれを持っていた。
そういう意味では、スコッチグレインはチャーチの質実剛健さを踏襲しており、和製チャーチと呼ぶにふさわしい。まさに紳士の品格を求めるおっさん御用達メーカーなのである。

というわけで、スコッチを買ってみることにしたはいいが、このメーカーは国産でありながら、売っている店はけっこう少ない。しかも、上位クラスのものは直営店にしか置いてない。
直営店は東京と大阪にしかない。名古屋市内となると売っている店は本当に限られてくる。例のドーム前の靴屋は名古屋では一番でかい靴屋なのだが、そこにも置いてない。
色々調べた結果、JR高島屋にあることが判明したので、早速行ってみる。

(3)革底靴の履き味
高島屋の靴売場はけっこう品揃いが豊富で、輸入靴もたくさん置いてあったので、まずはこちらから眺めてみる。やはり高い。5万円からご案内~という感じである。サルバトーレフェラガモの靴があった。10万円。フェラガモといえばセレブ女性御用達の靴として有名だが、紳士靴も作っているのだ。いかにもイタリアという感じの洗練されたデザインで幅が細い。幅広足のわしにはとても履けそうもないし、このころすでにイタリア靴には興味を失っていたので、素通り。

本命のスコッチを求めて国産靴コーナーへ。アシュランスはあるが、やはりオデッサインペリアルといったクラスは置いてなかった。できればフルブローグがほしかったのだが、セミブローグ(型番3520BL)しか置いてなかったので、これを試着してみる。
まずは一番買うことが多い26.5を履いてみる。ゆるい。26を履いてみるとぴったり。全体的に足に触れているという程度で、どこも全く圧迫感がない。少しゆる目かなとも思ったが、店員は「これ以上落とすと明らかにきついし、厚い靴下が履けなくなる」というので、26で購入を決定。

翌日早速デビュー。うーん気持ちいい。確かに蒸れない。蒸れないという意味ではGEOXも同じなのだが、それとは別の、ゴムのような化学合成物じゃないことによる何とも言えない心地よさがある。歩くときの音も耳ざわりが良い。特にこの靴は幅がEEEということもあって履いてて楽だ。途中で脱ぎたいという気持ちにならない。むしろずっと履いていたいと思うくらい気持ちいい。すっかり革底の虜となってしまった。
心配していた滑りについては意外と思っていたほどではない。というより、滑らないような歩き方をすることで自然とスマートできれいな歩き方になる。やはり革底は紳士の靴なのだ。

(4)つま先の摩耗対策
快適な気分でその日の勤務を終え、帰宅後、靴底を見てみると、げげ!!なんじゃこりゃあ!
つま先が異常に摩耗しており、すでに角度がつくくらい削れている。革底が摩耗しやすいことなど最初からわかっていたのだが、たった1日(しかもデスクワークでほとんど歩いていない)でこれほどまで減るものなのか。

またまたネットで情報収集。どうやらグッドイヤーの靴は履き始めは返りが悪いので、特に初日はつま先が減りやすいらしい。そういえば、滑り止め付きの靴を探している中で、つま先だけゴム加工しているタイプのものが圧倒的に多かったのだが、あれは滑り止めのためではなくて摩耗対策のために付いているのだなあ。

つま先の摩耗対策として、靴を買ったらすぐにかかととつま先の部分を両手で持って、グニャっと半分に折り曲げるとよいという記事があった。本当にそんなことして大丈夫なのかと思ったが、靴作りの専門家が書いている記事であり、そもそも靴はそういうふうに曲がるように作られているというのは理にかなっているので、早速試してみる。
曲げた瞬間はアッパーに無惨なシワができるが、すぐにシューキーパーを履かせて一日置いておけば、シワはほとんど跡形もなく消える。特にカーフなどの柔らかい革はしなやかさがあるので、シワの回復力が高い。
なるほど確かに2日目からは、初日ほどつま先は減らなくなった。次からはつま先にゴムが付いているやつを買うことにしよう。

(つづく)chtwnd.jpg

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