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神曲神之介の江戸日記
尾張名古屋城詰めから再び江戸屋敷詰めを命じられた神曲神之介の雑記帖
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神曲神之介
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職業:
武士(50石)
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そもそも似たような革靴なのに、どうしてこうも値段の開きがあるのだろうか。気になったので、ネットで色々調べてみた。
まずは自分が買った靴を調べてみると、ケンフォードというリーガルの弟ブランドのものであり、リーガルのページに自分が買ったものも載っていた。

本家リーガルといったいどこが違うのだろう。仕様をよく見比べてみると、ケンフォードはみんな製法が「セメンテッド」となっているのに対してリーガルは「グッドイヤーウエルト」とか「マッケイ」とかいう表示になっている。
「セメンテッド」というのは底を接着剤で貼り付けたもの。「グッドイヤー」や「マッケイ」は縫い付けの方法を示しているらしい。
なるほど。接着剤だと製法が簡単なのでコストが安く上がる。ここで縫い付け方式と1万円の価格差が出るのだな。
ただし、セメントは底の貼り替えができないので、底がすり減ったら捨てるしかない。対してグッドイヤーなどの縫い付け方式は貼り替えによる交換が可能だ。
さらに底がゴム製と革製で1万円くらい違う。あとは表革の質の違いで際限なく上がっていく。革が輸入物となれば関税や輸送コストで当然高くなるし、靴自体が輸入物である場合も当然高くなる。これが革靴価格差のメカニズムだ。

リーガルのページに靴に関する解説が色々載っていたので読んでみた。うーむ。やはり靴は奥が深い!
まず、靴の形やデザインはそれぞれ意味があり、場所によって相応しい物とそうでないものがあるんだな。
例えば、みんな同じように見えていた紐靴でも、よく見ると確かに微妙にデザインが違う物がたくさんある。

(1)内羽根と外羽根
まず、羽根(紐の穴が開いているピラピラした部分)には、根本が固定されている内羽根式とサイドだけが固定されている外羽根式がある。
内羽根は根本が固定されているので、羽根がVの字にしか開かない。必然的に見た目も履き味もタイトで引き締まった感じになる。対して、外羽根はパラレルに開くので、ラフで重厚な感じになる。したがって、内羽根はフォーマル向き、外羽根はカジュアル向きとなるわけだ。
羽根の変わりにベルトがついている「モンク」というタイプと羽根自体がない「ローファー」はさらにカジュアル寄りになる。

(2)縫い目形状によるタイプ分け
次に甲の部分の縫い目の形状の違い。縫い目が一切ないのが「プレーントー」、甲の先に横一直線に縫い目があるのが「ストレートチップ(または「キャップトー」)」、翼のような縫い目が「ウイングチップ」、甲全体にUの字状に縫い目があるのが「Uチップ」、その他、Uの字に曲がらずに平行につま先まで縫い目が走っているのが「スワールトー」とか「流れモカ」というらしい。
縫い目は、プレーンやストレートがフォーマル寄り、その他はカジュアル寄りといった位置付けになる。基本的にシンプルなものほどフォーマル度が高いということなんだな。

(3)ブローグ(装飾)によるタイプ分け
単に縫い目があるものの他に、さらに甲や羽根の縫い目に沿って穴飾りが施してあったり、つま先の部分に模様状の穴飾りを施してあるものがある。これをブローグというらしい。
ストレートチップにブローグしてあるものを「セミブローグ」、ウイングチップにブローグしてあるものを「フルブローグ」と呼ぶんだな。
これは元々は飾りのためではなく、水はけを良くするために考えられたらしい。一見、ツルっとしている方が水が流れやすいように感じやすいが、実は表面が平らだと水滴が融合しあって、表面に留まりやすく、穴を開けて水滴を細かく分断した方が流れやすいんだな。
元々は外で作業する労働者のためのものだったのだが、これを上流階級で飾りとして取り入れて以来、穴の模様を自分のイニシャル状にしたり、次第に飾りを競い合うようになり、現在に至っている。
このような経緯から、基本的にブローグシューズはカジュアル向けなのだが、フォーマルなシチュエーションであってもパーティなど華やかな場であれば全く問題ない。

デザイン上の違いはだいたい以上である。あと、色が黒と茶があるが、フォーマルな服装はモノトーンが基本なので、当然黒の方がフォーマル寄り。というより、茶は服のコーディネートを上手くやらないと変になるので難しいんだな。
黒だと大半の服に合うから無難だが、茶の場合は、ベルトや時計、鞄の色にも気を使わないと変になるので難しい。その反面、カジュアルにも流用しやすいというメリットはある。

ちなみに(そんなことは何も知らないで)自分が買ったのは、キャップトーと呼ばれるブローグなしの内羽根ストレートチップ(黒)だった。

こうして色々調べてみると、さすが古来から靴を文化として暮らしてきて、現在でも家の中まで靴を履いている西洋と長年、土禁・草履で暮らしてきた日本とは靴に対する認識が全く違うんだな。

靴について色々調べているうちに、たまたま、ブレア元首相が、毎週の定例会見で必ず同じ靴を履いていたという記事を発見した。
履いていた靴はチャーチというメーカー(当たり前だが英国製)のフルブローグで、18年間愛用しているということだ。
あまりフォーマル度が高くないフルブローグをわざわざ公式会見の場で毎回履いていたというところがポイントだ。
ブレア首相は労働党の党首なので、労働者起源のフルブローグを履くことが彼のポリシーアピールだったんだな。

紳士靴の元祖である英国人らしいエピソードだと思った。
そしてこのエピソードを知ったことが、やがてわしが靴道にどっぷりハマることになるきっかけとなるのであった。

(つづく)chtwnd.jpg

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当初の計画どおり(?)ブログの更新は最初の3日くらいで、あとはずっと放置状態である。日記はつまらんので、何かコラム的なものをと考えたものの、ここしばらくマイブームと呼べるものもなく、今日に至ってしまった。
誰も読んでいないブログとは言え、このまま自然消滅させてしまっては尾張に来た爪痕が何も残せずに終わってしまいそうだ。
そんなわけで最近ちょっとしたマイブームとなっているものができたので、コラム化することにした。革靴の話である。

40年以上生きてきて、これまで靴というものにほとんど関心を持ったことがなかった。
特に革靴に関しては、子供のころから「硬い」という先入観があって、好きじゃなかった。だから大人になってもずっとスニーカー派であった。
さすがに初めて就職した時は1万円くらいの革靴を買ったが、まともな革靴を買ったのはそれっきりで、それ以降は数千円のバーゲン品か合成革の安物でずっと済ましてきた。

ペーペーの時代は別にそれでよかったのだが、窓に背を向けて座る立場になり、会議などに出席する機会がやたら多くなると、いい歳こいてあまりボロボロの靴を履いているのはみっともないので、数十年ぶりにまともな靴を買いに行くことにした。

名古屋ドーム前のイオンの中に、現金で買うと1割引きになるけっこう大きな靴屋があったので、そこで色々物色してみる。
これまでは、脱ぎ履きが楽なローファーが多かったのだが、かっこよくないので、どうせならビシっと引き締まって見える紐靴を買うことにした。
革靴のメーカーではリーガルくらいしか知らなかったので、まずはリーガルのコーナーを見てみる。
昔からリーガルは「ゴツくて硬い!」というイメージを持っていたが、改めて手にとってみるとやはり硬い。しかも一番安いやつでも2万円くらいする。たかだか履き物に2万円を出す気にはならなかったので、別のコーナーの見た目がけっこうかっこよく見えた1万円のやつを買うことにした。

帰り際に他のコーナーを眺めてみると、「別格」と言わんばかりに何やら仰々しく設けられているコーナーがあった。恐らく輸入物のコーナーなのだろう。
で、値札を見ると7万円!!たかだか短靴に7万円?!いったいわしが買った1万円の靴とどこが違うのだろうか・・・。多分、ブランド的な価値なのだろう。世の中にはこんな靴を買う物好きなやつもいるのだなあ・・・。

この時はまだ、いずれ自分もその「物好き」な人間の範疇へ入っていくことになるとは夢にも思わなかったのである。

(つづく)chtwnd.jpg



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